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2016年(後期)テーマ 『人間の文化Ⅱ』

 

No タイトル・メッセージ 講師

第1回

7月21日

(木)

「リベラルアーツとしての茶道」

(議事進行)第一部講義:黒川五郎氏 第二部対談:黒川五郎、谷田部英正氏

 

(講師コメント) 本来の茶道は、LIFE IS ARTというリベラルアーツの理想を目指す総合芸術であり、ナチュラルでセラピューティックな道(タオ)としても捉えられるものです。しかし、芸術とはいっても、茶道には絵画や彫刻のようなジャンルの如くに、目立った作品制作の場面は見当たりません。このようなユニークな位相を持つ民族芸術としての侘び茶道について、今回のセミナーでは、文化人類学者としても著名なレヴィー・ストロースが、1960年代に哲学者サルトルと対峙しつつ主導した構造主義 ――この万華鏡にも 比すべき野生の”交差的”な神話的思考(すなわち、ウインド・クロッシング)の視点から考察して行きたいと思います。後半は、谷田部英正氏とアートにおける“ 野生の思考”の発露等の 問題について、議論を展開してゆきたいと思います。

 

@谷田部英正氏

 文化史家/造形作家、武蔵野美大他講師<身体文化論>

 

黒川 五郎

第2回

9月15日

(木)予定

 「砂漠:旅するサハラ」

 

<講師コメント> 最初の海外への旅はエジプトでした。ロレンス・ダレルの「アレクサンドリア四重奏」で、アレクサンドリアに憧れたからです。ところが、そこでアラブ世界に引き込まれてしまいました。エジプト、とりわけシリアへは随分と出かけました。その後、自然の流れのように、地中海からアフリカ大陸の砂漠への旅にたどり着きました。なぜか、幼いころの夢によく登場したのも砂漠でした。サハラ(砂漠) は広大です。砂漠という極度に乾燥した大地にあって、そこに根を張る植物、そこに生息する小動物、そこで暮らす人々もいます。そして、砂漠は出かけるたびに発見があります。ほとんどが砂漠の国、西アフリカ、モーリタニアの砂漠から、アフリカ、地球までもが見えてくるようです。 

 夢みる砂漠、想像する砂漠・・・異なる文化および文化以前の世界への憧れとロマンに満ちた?砂漠案内をいたします。ちなみにサハラ砂漠の「サハラ」とはアラビア語で「サフラーゥ」、不毛の、荒廃した、何もないという意味の「砂漠」を言います。

 

加藤 智津子

第3回

10月20日

(木)

「南西諸島の古謡や神話の魅力」

 

【講師の言葉】

 奄美大島・沖縄を始めとする南西諸島の島々には、それぞれ特色ある歌が残っており、中には万葉の時代に使われていた言葉の名残、平家落人伝説が織り込まれた歌など、様々な歴史の断片を窺い知ることができるものも少なくありません。

 また、島々に伝播する唄の系譜を辿る試みをご紹介し、四方を海に囲まれた日本列島ならではの文化の様相を感じてもらえれば幸いです。

 

●講演内容(予定)

「途絶えかけた唄に命を吹き込む ~"にほんのうた”の源流をたどる旅路~」

講演

・『ラッパ節』から派生した『嘉義丸のうた』~生涯の師匠との出会いと唄探しへの扉

・奄美大島のシマ唄の独自性や屋久島で幻の唄と言われた古謡の発見

・離島の唄から日本の唄の源流をたどる

●ミニライブ(予定曲目)

 奄美大島のシマ唄・屋久島やトカラ列島などの古謡

 

えぐさ ゆうこ

(橋口裕子)

第4回

11月17日

(木) 

「古典怪奇小説・恐怖の夜 ~幽霊の心理学と読演による鑑賞~」

 

 不幸にも、現代では人間の神話的な側面はあっさりと片づけられてしまっている。人間はもはや神話を創り出そうとしない。その結果、多くのことを人間は失っている。理解を超えたことがらについても話し合うことは大切であり、健康にもよいことだ。それは、暖炉の側でパイプをふかしながら、幽霊のお話を語り合うようなものである。 ── C. G. ユング

『ユング自伝2』河合隼雄他訳、みすず書房、1973.5、p.138

 

19世紀後半から20世紀前半にかけては、英米を中心とした古典怪奇小説の黄金期にあたります。この時期は、ユング心理学に多大な影響を与えた心霊科学の全盛期でもあります。怪奇なるもの、心霊なるものへの関心は、第一次世界大戦を経て時代が現代へと移行するなかで、人々の魂の奥底の希求に応えるものだったのかもしれません。

11月のユングサロンでは、ユング心理学の観点からの「幽霊の心理学」の話を前座に、古典怪奇小説の邦訳のいくつかを読演によって実際に鑑賞していきたいと思います。

 

どうぞ皆様、ユング言うところの「健康にもよい」恐怖の夜をお過ごしください。

 

進行役・講談「幽霊の心理学」:白田信重(ユング心理学研究会)

 

怪奇小説読演:近童弐吉(俳優)

近童 弐吉

第5回

12月15日

(木)予定

 「神秘主義と文化」

 

 ユングは、人類に普遍的なイメージとして元型概念を示す一方で、心の臨床医としては個人の持つ文化的背景を条件として考慮に入れなくてはならない、ともしていました。

 2016年度を通してのテーマであtった「人間の文化」シリーズの最終回では、哲学者の岡野利律子さんに、神秘主義と文化との関係についてのお話をしていただきます。

 

【講師の言葉】

 スピリチュアリズムやオカルティズムを含む広義の神秘主義と、宗教や哲学の伝統の中に見られる狭義の神秘主義とがあると思いますが、後者の意味での神秘主義を取り上げます。それは、宇宙の究極的一者との合一体験に基づく宗教的世界観だと言えます(心霊的な領域は、この究極的一者と現象の世界の中間領域に位置すると思います)。この体験は、個人の内面において突如起こる一時的な状態で、そこには時代や民族、文化の違いを越えた普遍的な共通性が見られます。そこで神秘主義は、どこにでも散発的に現われるもので、文化の中で起こってくるというよりは、文化を超えた現象だと考えられます。神秘体験の特徴についてまとめた上で、それが文化と結び付いてくる面を考えてみたいと思います。

 

岡野 利津子

講師

氏名 プロフィール

黒川 五郎

くろかわ ごろう

 アーツ・フィロソファー、茶道家。慶応大学文学部卒業後、教職の傍ら人間形成の芸術論(WINGED CROSSING)を着想。教育哲学会での研究発表が好評を博し、青山学院大学講師等を兼任。現在、茶道をポスト・モダンのアートとして展開する、ティー・セラピー・スタジオ 芸術教育学研究所所長。裏千家茶名:宗五。著書・論文:『新し い茶道のすすめ』(現代書林)他多数。

 http://tea-therapy.com

 

加藤 智津子

 愛知県生まれ 明治大学文学部卒 写真家、エッセイスト 日本モーリタニア友好協会理事 日本写真協会会員。

● 作品展等:1999年、グループ展「存在と変容」銀座画廊、2000年 第28回APA(日本広告写真家協会)入選。2001年より ギャラリー・Jy にて 個展「ミスバーフ」等 を始め、主な個展、「カスィーダ・砂の詩」G. コスモス(2008年) 、「SAHARA 2」ツム・アインホルン アートフォーラム展(2010年) 、「SAHARA Pierre sable eau」G. コスモス(2011年) 、「モーリタニア・サハラの色とかたち」G. フェイストゥフェイス(2012年) 、他、多数開催。 最近では2016年

「先カンブリア・地球の彫刻」アメリカ橋ギャラリーにて開催。

 次回はアメリカ橋G. にて「アレッポ」展(2016年10月19日〜24日)を予定。

● 著書:「砂漠を旅する-サハラの世界へ」加藤智津子著  八坂書房刊 

● その他:モーリタニア大使館刊行物、ポスター等 表紙(単行本)、PR誌等、TV等。

● Website: http://www.chizukokato.com

 

えぐさ ゆうこ(橋口裕子)

5月26日生まれ A型

歌手・ナレーター・フリーアナウンサー (元RNB南海放送)

在局中に奄美大島のシマ唄と運命的に出会い、尊敬する唄者のもとで修行を積む。奄美のシマ唄の歴史や唄掛け、方言などの奥深さを知るにつけより深く南西諸島の唄を学ぶため、父の生まれ故郷・屋久島の唄を探す現地調査を音楽家の江草啓太とともに行った。そこで幻の名曲「まつばんだ」を知り、限られた資料を元に復元。古謡採取の活動は夕刊フジ、サンデー毎日、南日本新聞等で紹介され、民話や採取の語りを盛り込んだ舞台は「圧倒的な表現」(スポニチ)と評されるなど、独自の活動を展開している。年内にミニアルバム「宝歌-takarauta-」をリリース予定。

 

近童 弐吉

こんどう にきち

愛知県出身。舞台俳優として大劇場から喫茶店公演まで規模を問わず出演。主演作多数、海外作品への出演も多い。TVドラマや映画にも多数出演。

TVドラマ:「利家とまつ」(本田忠勝)、「菜の花の沖」(高田屋嘉蔵)、「ハンチョウ」(相良一樹)、「相棒」、「水戸黄門」など

映画:「夜を賭けて」、 「死に行く妻との旅路」

 

最近の出演作として、映画:「日本の一番長い日」(東郷茂徳)、「シン・ゴジラ」(北野海自幕僚長)、「赤い襷」(井原仲次)来年公開予定、など

 

岡野 利津子

おかの りつこ

1991‐92年CNRS(フランス国立科学研究所)UPR76客員研究員、1996年学習院大学大学院人文科学研究科博士課程修了(哲学博士)、1996-98年日本学術振興会特別研究員(PD)。

現在学習院大学講師。新プラトン主義協会理事、西田哲学会、宗教哲学会会員。

主な専門は、プロティノス(205 - 270年)と西田幾多郎(1870 - 1945年)の哲学。比較思想。

主著『プロティノスの認識論~一なるものからの分化・展開』, 知泉書館, 2008年.

HP: 「神秘主義哲学手稿」http://ritsukookano.wix.com/architect-portfolio

 

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