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2014年(前期)テーマ 『かたちのないもの かたちになるもの』


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第1回

2月13日

(木)

「貝がらの森」~こころの中のお化けたち~

 挿絵付き童話「貝殻の森」(文・絵 なかひら まい/毎日新聞大阪版・連載2013年11月1日~30日)。この物語は、小学校の頃遠足で行った森で白昼夢のような世界に迷い込み、キツネになってしまった主人公が、妖怪やお化けのいる不思議な森を旅するというもの。キツネというモチーフやひとつ目族や鳥天狗など、昔話や怪談でも語り尽くされた懐かしいお化けたちがたくさん登場します。こうしたお化けたちは、列島の自然に囲まれて暮らす人々に長きにわたって共有されてきたからこそ、原初的な自然の姿を顕したり、個人の成長過程や共同体の心理の投影として、豊かに機能してきたのではないでしょうか。

 「貝がらの森」は、無謀にも、お化けたちが心の中で生き生きと湧き上がるイメージを現代の視点ですくい取ることができたならという気持ちで取り組んでみた作品です。

 今回は、「貝がらの森」を題材に、心のなかにお化けや妖怪のかたちをとってイメージが現れていく様子などについて、お話したいと思います。後半は、ユング研究家の白田重信氏にパネラーとしてご参加していただきます。

 

Web site:http://studiomog.ne.jp/nakahira/ 

 

なかひらまい

第2回

3月20 日

(木)

『物語という真実(ほんとう)、現実(リアル)という嘘』(仮題)

 古今東西、人々は、物語の力を借りて、それぞれの人生の困難を乗り越えてきた。その物語を創作する立場から、近松門左衛門の『虚実皮膜論』をベースに、物語の持つ力・劇的なもの・劇的空間について語ってみたい。

 今回は、講談師・神田山緑氏のお力を借りて、日本三大話芸と呼ばれる講談の実演を楽しんでいただきつつ、現実と物語の違い、その意味、そしてなにより、講談調子と呼ばれる独特のリズムと講談師によって描き出される劇的空間を体感していただこうと思う。

 後半は、ユング研究家の白田信重氏を交えて、「ユングと『虚実皮膜』」について壮大なるディスカッションを予定。

*【講談とは】張り扇でパンパンと釈台を叩き威勢よく語る伝統芸能。講談師にかかれば、荒唐無稽な話も真実に聞こえる話芸の妙!水戸黄門・大岡越前・宮本武蔵・清水次郎長・鼠小僧次郎吉・・・映画・テレビ・小説の題材は講談が元ネタになっている。

 

原田 佳夏

第3回

4月17日

(木)

『茶道の芸術教育学~美しき茶のかたちとかけて そのこころは~』

 これまで長年に渡り茶道の研究を続けてきて、今改めて思うのは、本来の茶道はナチュラルで、セラピューティックなアートとして、捉えられるものであるということです。しかし、芸術とはいっても、茶道には絵画や彫刻のようなジャンルの如くに、取り立てて目立った作品制作の場面は見当たりません。むしろそのことが、アートとは何か、美とは何なのかという古典的な哲学的テーマに我々の心を誘ってくれるのです。今回のセミナーでは、私が、これまで専門としてきた芸術教育学の立場から、これらの問題に光を当ててゆきたいと思います。主な論点は、以下の通りです。

 ・芸術を通しての教育(Education through Art)からタオ=道としての芸術論:LIFE IS ARTへ

 ・アートとしての侘び茶道――「利休にたずねよ」と岡倉天心の「茶の本」のことなど

 ・野生の美学と芸術的教育論:カントからヘルバルト、そしてルソー・ペスタロッチーの系譜

 ・ドイツロマン派と生の芸術をめぐって――ニーチェからシュタイナーへ

 ・ユング派芸術教育学者としてのハーバート・リードの可能性と限界

 ・レヴィ・ストロースの神話論理の基本定式とウインド・クロッシング 等々

後半では、統合芸術を目指すアーティスト金大偉さん、哲学者で妖怪研究者の甲田烈さんを交えて、様々な問題をディスカッションしていきます。金さんからの映像表現作品の提示も予定しています。

 

黒川 五郎

第4回

5月15日

(木)

 

『ニーチェ・ユング・ドゥルーズ 登場人物たちの変身譚』(仮題)

 密かな敵意をもってユングを無視し続けるフランス思想界にあって、ユングに肯定的な言及をした数少ない例外は、ドゥルーズです。アンチ・オイディプスを表明するドゥルーズは、フロイトの分析的な方法に対してユングの総合的な方法を評価しています。ドゥルーズとユングをつなぐ糸は、アンチ・フロイトだけではありません。ニーチェの創造した概念的人物/元型のディオニュソス-ツアラトゥストラをめぐって、ドゥルーズとユングは、それぞれ火花の散るような論考を残しています。

 フロイトとの訣別後アクティブイマジネーションの世界で格闘していたユングは、ディオニュソス的錯乱に曼荼羅で防衛線を引きましたが、ドゥルーズは、ニーチェと共にその錯乱の先を探索します。この三者の思考を三幅一対の絵として並べると、形の無いところに様々な形が、新たな概念として生成してきます。

 後半は、ユング研究家の白田信重氏にパネラーとしてご参加いただきます。また、ユングが生前に『赤の書』について語っている映像と音声が手に入りましたので、一部ご紹介できればと思います。

【三幅対(さんぷくつい)】とは、掛軸、屏風絵、祭壇画などで、三つで一組の作品となるもののこと

小島史明

第5回

6月19日

(木)

  

『風景の背後にあるもの、ないもの』

 今回のセミナーでは、私たちの身の回りに広がる「風景」と「人間」に関係について、学術分野を横断する研究を進めている藤倉英世氏を講師にお迎えします。

風景に蓄積されている〝なにものか”の存在と、主体としての個人と社会との関係について、現象学的な本質観取を用いた分析や、独自のSocio-Spatial Analysis Model を用いた分析による、現在進行形の研究成果をご紹介いただきます。

 

講師からのメッセージ:2年程前に、景観工学の山田圭次郎(京都大学大学院特定准教授)、都市行政学の羽貝正美(東京経済大学教授)、社会哲学の西研(東京医科大学教授)の4人で、「風景-主体の関係を考える研究会」を立ち上げ、風景に係る日仏の比較調査、国際会議(Paris,May 2-4 2013,UNISCAPE)での発表等を進めています。今回のセミナーでは、最近の研究成果として、風景の背後にある「空間-社会」構造や風景の「内的システム」仮説、そこに介在する”人間ならざるもの”の感覚について、1時間程度でご紹介します。

 

藤倉 英世

 

 

 


講師

氏名 プロフィール
なかひら まい

・セツ・モードセミナー卒業。

・『スプーの日記』(トランスビュー刊)シリーズで作家デビュー。

 

原田 佳夏

・脚本家・作家。

・朝日カルチャーセンター「脚本を書こう!」講座を経て、「はらあら脚本講座」主宰。

・著作:「脚本を書こう!」青弓社。舞台脚本、映画脚本を多数手掛ける。

 

黒川 五郎

・芸術教育学者、茶道家。

・慶應義塾大学文学部卒業後、教職の傍ら人間形成の芸術論:WINGED CROSSING を構想。以後、青山学院大学文学部講師等を兼任。

・現在、ティー・セラピー・スタジオ芸術教育学研究所所長。裏千家茶名:宗五。当研究会顧問。

・著書・論文:『新しい茶道のすすめ』(現代書林、2009)他多数。最新刊『学校空間の研究』(コスモスライブラリー)。

 

小島 史明

・アルファコンサルティングオフィス代表

藤倉 英世

・早稲田大学公共政策研究所招聘研究員、博士(都市科学)、公共経営修士

・環境・公共政策デザイナーとして、工学、社会科学の両面から数多くの公共政策、公共事業の構想、プランニングに携わる。

・専門は風景論。一時期、現代詩人として活動し、『早稲田文学』、『現代詩手帳』、『正論』等に詩・書評を執筆。詩集に『消滅のための火』などがある。

 

 
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